オススメ度:★★☆☆☆
1987年7月3日にハイスコアメディアワークスよりファミコン用ソフトとして発売された横スクロールARPG。
販売本数は10万本でありプチヒット商品と言える。
隠れた名作であり、バランスの取れたアクション性と当時としては珍しい、お金の概念があり装備品をお店で購入できるアクションロールプレイングとして知る人ぞ知るタイトルである。
ゾンビハンターとは
当時販売されていたゲーム雑誌『ハイスコア』の中の企画として制作されたゲームです。
『ハイスコア』の当時の編集長がエスキモー(森永乳業)のアイスキャンディーのプレミアムの話を持ってきてたことから企画されました。
当初はキャラクターの形をしたグミキャンディーが入った、本作と同名のバニラアイスクリーム(棒アイス)の懸賞品専用ソフトでした。
しかし口コミで「おもしろい!」と評判になり、のちにファミコン用として市販化され、その後MSX2にまで移植されたという異色のゲームソフトです。
その為、ゲーム内の回復アイテムの「たべもの」には、元の商品にあやかった棒アイスの形状のものがあります。
ゲームシステム
横スクロールタイプのARPGであり、プレイヤーは風の精霊に選ばれた戦士となり、地下迷宮の奥に待ち構える土の精霊ドルゴを倒し、暗闇と化してしまったパルマの都を救うのがゲームの目的です。
敵を倒すごとに経験値とゴールド、稀にアイテムが手に入ります。
経験値の蓄積でプレイヤーはレベルアップし、強くなっていくローププレイング要素とお金を貯めるとショップで装備品やアイテムなどを購入できる通過の概念がありました。
お店の存在は基本シークレットで、各ステージのゲームスタート時に左に行くと入店できました。
ゲーム画面上にはお店の情報が何もなく、気づかなければずっとお店無しでプレイする事になります。
セーブやコンテニューはなく、ゲームオーバーになったら最初からで、スタートからエンディングまで1~2時間ほど(うろ覚え)でクリアできたと思います。
当時はまだ純粋なアクションゲームか、いわゆるドラクエ式のコマンド選択型RPGが多く、この様に組み合わせられたアクションRPGというソフトは珍しくて新鮮だったと記憶しています。
裏技とバグ
他にも当時のファミコンソフトではよくある事なのですが、デバッグがしっかり行われてなくバグが目立ちました。
例えばレベルアップのたびに防具の性能が0になってしまい、新しい防具を買いなおさなければいけないなどのバグがちらほらありました。
最高レベルは31にも拘わらず、レベル32までの残り経験値は表示されます。
その経験値に到達するとレベルアップ音が高らかと鳴るがステータスは一切上昇せず、防具の性能だけ0になるという誰得の幻のレベルアップです(笑)
裏技もありまして、タイトル画面でセレクトボタンを押すと主人公が大幅に弱くなる、今でいうところのナイトメアモードのような隠し要素もありました。
小ネタ裏技としては、タイトルロゴのZOMBIE HUNTERの『I』が蝋燭になってるんですが、Ⅱコンのマイクに息を吹き付けると蝋燭の灯が揺れ、消えるという隠し要素も仕込んでいたりしました。
今となっては「そんなん仕込んでる暇があったらもっとデバッグしっかりしてよ」と思いますが幼かった筆者は「すげー!」と大喜びしてⅡコンをフーフーしてました(笑)
音声合成
その頃、ファミコンソフトでは音声合成によるゲーム内で喋る演出が開発され流行ってました。
本タイトルの1か月前に発売された『燃えろ‼プロ野球』なども音声合成で喋りまくってました。
このゲームも流行に乗ってメーカーロゴ画面で「ハイスコア!(女性声)」やタイトル画面で「ゾンビハンタ~(おどろおどろしい声)」などと喋りまくってました。
ステージの最初の方で死ぬと「しっかりしろよ!」などと腹立たしいセリフも吐きます(笑)
当時は画期的で、子供たちは「おぉ!ゲームがしゃべる!」と喜んだものです。
アイスクリームの懸賞品
冒頭にも説明した要にエスキモーから発売されたアイスクリームとコラボされており、同名の『ゾンビハンター』というグミの入ったバニラアイスを購入して応募券を送ると懸賞品として抽選でこのソフトが当たるというものでした。
「ゾンビを食べてゾンビを当てよう!」というキャッチコピーが昭和っぽくて最高です(笑)
エスキモーとはこの時代に森永乳業が使用していたアイス菓子ブランドです。
エスキモーブランドは1979年に創設されましたが2010年に31年の歴史に幕を閉じました。
『エスキモー』懐かしいですね!
この当時筆者はまだ幼く、懸賞のことなどは知らなかったのですが、おやつに食べたアイスの応募券を母がこっそり送っていてくれました。
ある日学校から帰ると、満面の笑みで母がこのソフトをくれました。
なんと懸賞に当たってたのです!8,000名しか当たらない懸賞を見事当てた母の強運に感謝です!
当時の子供にとって5,000円前後するファミコンソフトは高価なおもちゃでして、誕生日などの特別な日にしか買って貰えませんでした。
そんなファミコンソフトが突如、しかもタダで貰えて大興奮した事を今でも憶えてます(笑)
たった3日でクリア!
懸賞で当たったにしてはとても面白かったこのゲーム。
夢中になって遊んだ筆者は、なんとたったの3日でクリアしてしまったのです。
幼少時代は短期間でのクリアなどまず無かったどころかクリアできずに諦めたソフトもかなりありました。
このソフトが面白かっただけでなく、難易度も低かったのかなと思います。
ファミコン稼働中に発売されたファミコンソフトは全タイトルで1252本もあります。
そのたくさんのソフトの中で本作は然程メジャーでは無かったので、憶えている人は少ないと思います。
しかし筆者にとっては、子供時代にアイスの懸賞で当たり、3日でクリアしたという生涯忘れられない思い出のゲームソフトなのです(笑)
今回は『ゾンビハンター』の紹介でした。
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