オススメ度:★★★★☆
『つっぱり大相撲』は1987年9月18日にテクモよりファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された相撲ゲーム。
ファミコン初の相撲ゲームであったが、バランスやシステムが秀逸な優良タイトルであり人気があった。
各バーチャルコンソールに移植されたほか、「ニンテンドークラシックファミコンミニ」や「ファミリーコンピュータNintendo Switch Online」などにも収録されている。
つっぱり大相撲とは
家庭用ゲーム機として初の相撲を題材としたゲームである。
コミカルな演出でおバカゲームとしての側面もあるが、しっかりとしたゲームバランスで楽しく遊べる人気ソフトでもあった。
その完成度の高さから、以後の相撲ゲームのほとんどが本作のシステムを踏襲している。
現在でも“楽しかった思い出のゲームソフト”として挙げられることが多い隠れた名作である。
1992年にはPCエンジン『つっぱり大相撲 平成版』、1993年にはSFC『つっぱり大相撲 立身出世編』、2009年にはWii『つっぱり大相撲 Wii部屋』と続編も製作されているがファミコン版を超える人気は出なかった。
ゲームシステム
プレイヤーは最初に自分が操作する力士に四股名を命名する。
新入幕の前頭十三枚目からスタートし、本場所で取組を繰り返し昇進していき、最終的に横綱に昇格し、二場所連続で優勝することが目的となる。
「つっぱり」や「押し」を決め、相手の体力ゲージを減らしたタイミングで組んだ時に見事「決まり手」となる技を成功させると勝利となる。
本場所15戦で8勝以上すると勝ち越しとなり、勝ち星の数に応じて番付が決まる。
さらに小結以上になると「10勝以上」や「二場所連続優勝」などの条件が加わる。
なお、本作には2人用があり、ルールは5人の力士での勝ち抜き戦である。
多彩な技とコミカルな演出
なんと言っても本作一番の魅力は二頭身のかわいい力士がが繰り広げるコミカルな「演出」であろう。
コメディ風のBGMと共に必死に相撲を取る力士は見てるだけで楽しい。
通常の相撲の技にあるような「上手投げ」「つっぱり」「押し出し」により勝負が決まる時は画面外まで放り投げられたり、土俵をコロコロ転がっていくなどの愉快な演出が挿入されプレイしているとほっこりさせられる。
そして「隠し技」も本作を語るうえで外せない要素だ。
隠し技はある一定のタイミングで特定の技を仕掛けると発生する「決まり手」で以下のモノがある。
もろだし
ある一定の条件下で組んで「つり」をすると、相手のまわしが取れて丸出し状態になる。相手はその後土俵から逃走する。
すうぷれっくす
ある一定の条件下で組んで「投げ」ると相手の後ろに回りこみジャーマンスープレックスを繰り出す。
ぶれえんばすたあ
土俵際に追い詰められた状態で組んで「つり」を入力するとブレーンバスターを出す事ができ一発逆転ができる。
あびせたおし
敵に「投げ」を決められ上空に放り投げられた際、空中で操作して上手く敵に落下すると敵を押し潰し「あびせたおし」という技名で逆転勝利となる。
テクモというメーカー
余談ではあるが、本作は「テクモ」のファミコンソフト第5弾として発売された。
この「テクモ」という会社のタイトルはなかなか癖があるものが多く、第1弾の『マイティボンジャック』をはじめ、独自の操作性とシステムで多少マニアックだけど面白いソフトが多い。
『アルゴスの戦士』『忍者龍剣伝』『キャプテン翼』などは筆者も夢中になって遊んだ。
オリジナリティあふれるタイトルをたくさん提供してくれた好感の持てる会社であった。
社内のゴタゴタを切っ掛けに経営不振に陥り一時は倒産の憂き目にあったが、「コーエー」と合併して「コーエーテクモ」として生き残ることに成功する
事実上の吸収合併ではあるが、「テクモ」が存続していることを嬉しく思う。
これからもマニアックなゲームでプレイヤーたちを楽しませて欲しい。
筆者とつっぱり大相撲
筆者はこのソフトは所有しておりませんでしたが、友達から借りて相当やり込みました。
何度も優勝してエンディングを見ましたし、放課後友達と集まり2人用対戦プレイでもたくさん遊びました。
コミカルな演出とBGMでいつもゲラゲラ笑いながら遊んだ記憶があります。
2019年2月には「ファミリーコンピュータNintendo Switch Online」にて本作が追加がされていますのでSwitchで遊ぶことができます。
この前久しぶりにSwitchで「もろだし」を決めて、やはり昭和のあの頃のようにゲラゲラ笑ってしまいました。
どうやら筆者は30年以上経った今も、ひとつも成長していないようです。
今回は家庭用ゲーム機初の相撲ゲーム『つっぱり大相撲』の紹介でした。
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