オススメ度:★★★★☆
『冴えない彼女の育てかた Fine』が2019年10月26日に公開となりました。
『冴えない彼女の育てかた』はゲーム制作サークルblessing softwareのメンバーを中心に描かれる青春アニメであり略称は『冴えカノ』。
劇場版である本作は2015年に第1期・2017年に第2期が放送されたテレビアニメ版の続編であり物語の完結編となっている。
原作・脚本:丸戸史明
監督:亀井幹太
キャラクター原案:深崎暮人
ストーリー
劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」本予告 |2019年10月26日(土)公開
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。
美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing softwareを結成。
やっとのことで一作目を発表した──。
英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。
blessing software代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。
イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンドicy tailとともに新作の開発を進めるが……。
英梨々と詩羽の大作はどうなるのか?
倫也と恵の関係に異変が?
はたしてblessing softwareの新作の行方は?
冴えないヒロインをめぐる青春グラフィティ、グランドフィナーレ。
少年が抱いた想いはどこまでも駆け上がっていく。
登場人物
安芸倫也:CV松岡禎丞
『blessing software』の代表。
自分の好きな作品やクリエイターを心から愛し、レーティングもきっちりと守ってきた筋金入りのオタクサークルの一作目では詩羽との連名でシナリオの一部を手掛けたが、二作目はひとりですべてのシナリオを書くことに……!
加藤恵:CV安野希世乃
『blessing software』のメインヒロイン。
当初は倫也の言動に振り回されながらもフラットを保ちながら付き合っていたが、英梨々と詩羽が抜けて新たなメンバーを迎えたサークルを支えるために、副代表としても活動する。
澤村・スペンサー・英梨々:CV大西沙織
18禁同人誌を描きまくる新進気鋭のイラストレーター・柏木エリとして活動していたが倫也に誘われ『blessing software』の原画担当に。
だがゲームイラストの奇跡の七枚を見た紅坂朱音に引き抜かれて大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するため、サークルを脱退した。
霞ヶ丘詩羽:CV茅野愛衣
デビュー作『恋するメトロノーム』が累計50万部の大ヒットを記録した「霞詩子」のペンネームで活躍する超人気ラノベ作家。
『blessing software』で初めてゲームシナリオを手掛けるが、英梨々とともに紅坂朱音に引き抜かれて『フィールズ・クロニクル』のシナリオを担当する。
氷堂美智留:CV矢作紗友里
倫也と同じ日、同じ病院で生まれた、原始の幼馴染にして従姉妹。ガールズバンド『icy tail』ではギターとボーカルを担当しており、『blessing software』でもmitchieの名で音楽を担当。
周囲がオタクだらけのなか非オタを通しているが、偏った知識だけは吸収している模様。
波島出海:CV赤﨑千夏
伊織の妹で、倫也たちの後輩。倫也にオタクの手ほどきを受け、今では倫也にも劣らない熱いオタクとして個人サークル『ファンシーウェーブ』で活動するほどに。
豊ヶ崎学園に入学し、『blessing software』に新しい原画担当として参加する。
波島伊織:CV柿原徹也
出海の兄で、倫也の元親友のイケメン。
紅坂朱音から『rouge en rouge』を任され二代目代表を務めていたが脱退して、『blessing software』のプロデューサーを務める。
サークルでは恵との折り合いが悪い。
感想
2015年からTVアニメ1期・2期と続き、とうとうグランドフィナーレとなる劇場版。
筆者は原作は触れておらずアニメ版のみの視聴であるが、これ以上ないと言える綺麗な終わり方に大満足だった。
誰かを選ぶなど悩みすぎて決断できないだろうと思うほど、登場する女の子は皆魅力的であり、この劇場版でどのような結末になるかはとても興味深かった。
金髪ツインテールでツンデレの英梨々や黒髪ロングでヤンデレの詩羽先輩を筆頭に、個性豊かな女性キャラたちの中で一番“普通”であるヒロインの恵が、この劇場版ではとうとう強い個性を放つようになり、感情を全面的に出し始める。
そして感情をコントロールできず、自らの感情に振り回され悩む恵の姿が視聴者に感動を与える。
自分の想いにちゃんとケジメをつけるため、英梨々と詩羽先輩の決意をするシーン。
そして倫也を失った英梨々の涙と、自分も辛いはずなのに泣きじゃくる英梨々を慰める詩羽先輩の優しさが心に響く。
本作の見どころは恋愛描写だけでなく、主人公・倫也が「最高のゲームを創る」という夢に向かってひた向きに頑張っていると言う要素も忘れてはいけない。
何気にゲーム業界の闇や、制作の大変さ、商業としての採算の話などもしっかりと取り入れられていて、物語にリアルさが加わり面白みを増している。
夢も恋愛もしっかりと描かれ、最高の大団円を見せてくれた劇場版。
この魅力的な登場人物たちが織りなす物語のFine(終わり)を是非鑑賞して欲しい。
今回は『冴えない彼女の育てかた Fine』の紹介でした。
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