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【楽園】少女失踪事件から12年、未解決のまま連続殺人事件が起こった。信じた人は、殺人犯なのか──?【レビュー・あらすじ・ネタバレ】

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オススメ度:★★★☆☆

 

『楽園』が2019年10月18日に公開となりました。

『悪人』『怒り』などのベストセラー作家・吉田修一の作品の中でも最高傑作と評される『犯罪小説集』を原作としたサスペンスドラマ。

監督・脚本は『64-ロクヨン-』の瀬々敬久。

未解決の幼女誘拐事件と同じ場所で12年後に起きた2つの事件を巡り、容疑者と疑われる青年、心に傷を負った少女、限界集落に暮らす男性の人生が交錯していく姿を描く。

 

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犯罪小説集

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『犯罪小説集』は本作『楽園』の原作となる吉田修一の短編小説集である。

「青田Y字路」「曼珠姫午睡」「百家楽餓鬼」「万屋善次郎」「白球白蛇伝」の5篇からなり、本作はそのうち「青田Y字路」「万屋善次郎」の映画化である。

『楽園』の原作となった「青田Y字路」と「万屋善次郎」は実際に起こった事件をモデルとしていると言われる。

「青田Y字路」は北関東連続幼女誘拐殺人事件、「万屋善次郎」は今市事件である。

興味がある方は調べてみると良いだろう。

 

ストーリー


映画『楽園』本予告/綾野剛・杉咲花・佐藤浩市/衝撃のサスペンス大作

 

青田が広がるとある地方都市―。
屋台や骨董市で賑わう夏祭りの日、一人の青年・中村豪士(綾野 剛)が慌てふためきながら助けを求めてきた。
偽ブランド品を売る母親が男に恫喝されていたのだ。

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仲裁をした藤木五郎(柄本 明)は、友人もおらずに母の手伝いをする豪士に同情し、職を紹介する約束を交わすが、青田から山間部へと別れるY字路で五郎の孫娘・愛華が忽然と姿を消し、その約束は果たされることは無かった。
必死の捜索空しく、愛華の行方は知れぬまま。

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愛華の親友で、Y字路で別れる直前まで一緒にいた紡(杉咲 花)は罪悪感を抱えながら成長する。
12年後―、ある夜、紡は後方から迫る車に動揺して転倒、慌てて運転席から飛び出してきた豪士に助けられた。
豪士は、笛が破損したお詫びにと、新しい笛を弁償する。
彼の優しさに触れた紡は心を開き、二人は互いの不遇に共感しあっていくが、心を乱すものもいた。

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一人は紡に想いを寄せる幼馴染の野上広呂(村上虹郎)、もう一人は愛華の祖父・五郎だった。そして夏祭りの日、再び事件が起きる。
12年前と同じようにY字路で少女が消息を絶ったのだ。
住民の疑念は一気に豪士に浴びせられ、追い詰められた豪士は街へと逃れるが……。

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その惨事を目撃していた田中善次郎(佐藤浩市)は、Y字路に続く集落で、亡き妻を想いながら、愛犬レオと穏やかに暮らしていた。
しかし、養蜂での村おこしの計画がこじれ、村人から拒絶され孤立を深めていく。
次第に正気は失われ、想像もつかなかった事件が起こる。

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Y字路から起こった二つの事件、容疑者の青年、傷ついた少女、追い込まれる男…
三人の運命の結末は―。

 

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登場人物

中村豪士(綾野剛)

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Y字路で起きた事件の容疑者として
追い詰められていく青年。

 

湯川紡(杉咲花)

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Y字路で消息を絶った少女と直前まで
一緒だった親友、心に深い傷を抱える。

 

田中善次郎(佐藤浩市)

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Y字路に続く集落で、村八分になり
孤立を深め壊れていく男。

 

藤木五郎(柄本明)

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失踪した少女・藤木愛華の祖父。

 

野上広呂(村上虹郎)

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紡に想いを寄せる幼馴染。

 

黒塚久子(片岡礼子)

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善次郎を案じる集落住民の娘。

 

中村洋子(黒沢あすか)

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剛士の母。

 

感想

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綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、柄本明など実力派俳優たちによる感情むき出しの演技が見どころだ。

綾野剛は新境地を切り開いた感がすごい。

柄本明の狂気染みた迫真の演技は圧巻。

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徐々に絶望に狂っていく佐藤浩市は巧さは鳥肌モノ。

杉咲花の本格派女優としての繊細な演技が光る。

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物語は終始陰鬱な雰囲気が漂う中で展開していく。

ある意味これがリアルな限界集落での生活なのかも知れないが、田舎暮らしに憧れる筆者の心を折るくらいなら十分なダメージを与えてくるほど陰険だ。

まぁそういう映画なので脚本的に暗い雰囲気なのは仕方がない。

実際の田舎はもっと暖かいと信じたい(笑)。

本作は12年前に女の子が行方不明になった事件を軸に話は進むが、これは“真犯人”や“事件の真相”を追う推理ドラマではないということを理解した上で鑑賞すべきである。

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結局終演になっても真相は明かされないし、犯人を示唆するような描写もない。(終盤に行方不明なる直前の愛華と豪士が出会うシーンがあるが、あれは紡の回想であり現実では無い)

この映画は紡がどうやって過去のトラウマから脱出して、ちょっとした未来に進んでいくかを描いた物語である。

『楽園』はふたつの短編小説を組み合わせた一種のオムニバスストーリーであるが、ある意味、杉咲花が演じる紡の目線で一本筋が通っている映画なので、どうやってラストを作るかが非常に難しかったと監督も語っている。

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心がえぐられ、胸が締め付けられるような展開に終始息が詰まる思いを強いられる。

そして観終わって感じる後味の悪さ。

決して胸を張ってお勧めできる作品ではない。

しかし何故か筆者は本作を“観てよかった”と思った。

暗い物語の中に、人生は理不尽な事だらけだけど、それでも人は前を向いて歩いていくべきであり、その先にきっと求める幸せがある。

そんなメッセージを筆者は感じた。

本作に興味を持った方は自己責任で鑑賞して欲しい(笑)。

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最後になるが、陰鬱な雰囲気が続く本作の唯一の救いが主人公・紡を演じる杉咲花の存在である。

いつの間にこんな素晴らしい演技をする女優さんに成長したのだろうと目を見張った。

たまたま彼女の出演している作品を見る機会がなく、筆者の中では「Cook Do」のCMで美味しそうに回鍋肉を頬張る少女のイメージしかなかったので、とても可愛らしい大人の女性になった姿を見られたことは大きな収穫であった。

今後は杉咲花が出演する映画は率先して劇場に足を運ぶことにしよう。

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今回は決して万人にはお勧めできないが、鑑賞した人の心に深い感情を刻み込むサスペンスムービー『楽園』の紹介でした。

 

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