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【弟切草】「奈美」──それは、扉に書かれた彼女の名前だった…。ADVに新風を巻き起こした新ジャンル“サウンドノベル”の記念すべき第一弾!【SFC・チュンソフト・レビュー】

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オススメ度:★★★★☆

 

『弟切草(おとぎりそう)』は1992年3月7日にチュンソフトからスーパーファミコン用ソフトとして発売されたサウンドノベル。

アドベンチャーゲームの歴史にに革新を起こしたサウンドノベルというジャンルの世界初のタイトルであり、のちのADVソフトに多大な影響をもたらす事となる名作である。

脚本・監修には江戸川乱歩賞作家の長坂秀佳氏が担当しており、ストーリーとしても非常に面白い展開を見せるとユーザーの口コミでロングヒットとなり最終的に30万本以上を売り上げるヒット作品となった。

 

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サウンドノベルゲームの始祖

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本作はADVというゲームカテゴリーの中に新たに「サウンドノベル」というジャンルを確立した草分け的タイトルである。

本作が発売される1992年以前、発売元であるチュンソフトはデベロッパーとしてソフト開発を請け負う会社であり、主にエニックス(現スクウェア・エニックス)のソフトを手がけていた。

『ドアドア』『ポートピア連続殺人事件』『ドラゴンクエスト(1~5)』などを開発していた。

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そのチュンソフトが初めて自らパブリッシャーとしてソフトを発売する第1作目がSFCソフト『弟切草』である。

それまでのコマンド選択式ADVでありがちだった謎解きに詰まると先に進めなくなるストレスを排除し、「どんなことがあっても最後までたどり着けること」「テキストを読みながらボタンを押すだけで先に進めるようにすること」をコンセプトに制作された。

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それだけではただの小説本と変わらないので、当時コンシューマ機としてはトップクラスのスペックを誇っていたスーパーファミコンの音源の性能を遺憾無く発揮させたBGMと演出によって差別化を図り、サウンドノベルという形態が構築されるに至った。

 

ゲームの特徴

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音源での演出効果を発揮するには“恐怖感”が一番であるとの考えにより、ストーリーはミステリー仕立てになっている。

恐怖を演出するには密室空間が望ましいことから舞台は森の奥にひっそりとそびえる洋館となった。

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開発当初は10時間ほどに及ぶストーリーとする予定であったが、シナリオライターの長坂秀佳の案により、一つの話は簡潔でいくつもの話が楽しめる、プレイする度に話が変わるシステムとなった。

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シナリオは10数本存在し、途中プレイヤーが選んだ選択肢に応じて分岐していく。

初回プレイでたどり着ける結末は3通り程度。

エンディングを迎えて周回を繰り返すごとに新しい選択肢が追加され、それによって新しいシナリオが解放される仕組みになっている。

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後半のシナリオにはギャグシナリオも用意されており、周回プレイを飽きさせない内容となっている。

10種類のエンディングを全て見ると、セーブデータである「栞」の色がピンクに変色し、隠しシナリオである“ちょっぴりエッチなシナリオ”が解放される(笑)。

 

ストーリー

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夕暮れの薄暗い山道を走る一台の車。

車道の両脇には辺り一面に弟切草が咲いていた。

車を運転していた主人公は、助手席にいる奈美に「復讐」の花言葉を持つ弟切草に纏わる伝承を語る。

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しかし、話に夢中になっている内に道に迷ってしまい、そこに突然対向車が現れ急ブレーキを掛けるもブレーキが効かず、強引に車を停めた事で車は破損してしまう。

雨の降る中、車を捨てた二人の行く手には弟切草に囲まれた一軒の洋館が佇んでいた。二人は雨から逃れるためにその洋館へと足を踏み入れるのであった…。

 

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味わった事の無い恐怖と面白さ

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本作を初めてプレイした時の衝撃は今でも忘れることができない。

それまでのADVは全てコマンド選択式であったのに対し、画面いっぱいに描かれる映像とそれに重なるように表示されるテキストを読み進めていくだけの全く新しいシステムはADVの肝とも言える物語への没入感を高め、プレイヤーをゲームの世界に深く引き込んだ。

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そして美しい映像とBGMは物語を盛り上げ、音響効果による恐怖演出は非常に強烈なインパクトであった。

サウンドノベルの処女作にホラージャンルを選んだのは大成功であり、非常に相性の良いことが証明された。

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のちのサウンドノベル作品に本作が与えた影響は多大であり、その後大流行したくさんのタイトルが発売される事となるサウンドノベルタイトルの大半はホラーやミステリーなどの恐怖演出が際立つストーリーであった。

 

最後に

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世界初のサウンドノベルである本作の大ヒットにより成功を収めたチュンソフトは、その2年後にこのジャンルの特徴をさらにブラッシュアップさせたサウンドノベルの金字塔とも言える不朽の名作『かまいたちの夜』を発売し、サウンドノベルメーカーとして不動のトップの地位を築く。

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本作は1999年にPlayStationにてリメイク発売もされている。

リメイク版である『弟切草 蘇生篇』ではザッピングシステムにより、主人公から奈美の視点に切り替えてのストーリーが追加されておりSFC版ではなかった物語を体験することができる。

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2001年には実写映画化されており、当時トップ女優だった奥菜恵を主人公に抜擢したホラー映画として東宝系で公開された。

本作のファンであり、奥菜恵も好きだった筆者はもちろん劇場で鑑賞したが、稀に見る駄作でがっかりしたのも今となっては良い思い出である(笑)。

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余談ではあるが実は弟切草の花言葉は「復讐」ではなく「迷信」「恨み」等である。

これは物語の重要なファクターとして“弟を斬り殺す”という伝承に真実味を持たせるために敢えてその様にしたとのこと。

結果的にシナリオに不気味な雰囲気をテイストするのに一役買っており成功だったと言える。

しかし筆者はこのゲームのせいで、二十歳を過ぎるまで弟切草の花言葉は「復讐」だと信じていた(笑)。

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早いもので本作の発売から27年の年月が経った。(2019年現在)

発売30周年の記念にはPSVRでVR版『弟切草』などを発売すればきっとレトロゲーマーの間では大きな話題になるのではないだろうか?

あの不気味な洋館をVRの世界で探索できるなんてワクワクが止まらないと感じるのは、きっと筆者だけでは無いはず。

 

今回はADVに新風を巻き起こした記念すべきサウンドノベル第一弾『弟切草』の紹介でした。

 

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