オススメ度:★★★☆☆
『大神 絶景版』は2006年4月にCAPCOMからPS2用ソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム。
キャッチコピーは「この世の命が、蘇る。」
2009年にWii版が、2012年にHDリマスターされた絶景版がPS3にて発売された。
更に2017年にはPS4版とXBone版、2018年にはSWITCH版が発売される人気作である。
当記事はPS4版をクリアしての感想です。
大神とは
古代日本的な世界を舞台とするゲームで、水墨画のような筆のタッチを生かした日本画風の3DCGが特徴。
タイトルの「大神」には主人公が「天照大神」であることと「狼」であることの二つの意味がこめられている。
アメリカのゲーム情報ウェブサイトであるIGNが主宰するThe Best of 2006でOverall Game of the Year(最優秀賞)を獲得した。
あらすじ
100年前、英雄イザナギによって封印された怪物ヤマタノオロチ。
その戦いの際に、イザナギをさまざまな神秘の力で手助けをした白狼・白野威(しらぬい)は、神木村にある神木の袂に像が作られ、村の守り神として祀られていた。
しかしそれから百年が経ち、オロチを封じていた宝剣「月呼」が何者かに引き抜かれ、オロチは復活する。
だが、木精サクヤ姫の力で大神(狼)アマテラスも神木村にある白野威像に宿り復活。
ヤマタノオロチを倒し、ナカツクニの安寧を取り戻すために、絵師のイッスンと共に旅に出る。
日本画風のグラフィックが美しい
本作は筆で描いたような日本画風なデザインで一貫されており、まるで日本絵巻を見ているようなグラフィックが特徴です。
とても情緒豊かな風景であり、独特の世界観となっています。
おまけに夜と昼によりガラッとその雰囲気が変わり一味違った演出を楽しめます。
ナカツクニはとても広く様々な地域を旅をしていく事になりますが、こんな綺麗な景色ならぼーっと眺めるのも楽しみのひとつになりますね。
和風ゲームサウンドが物語を盛り上げる
忘れてはならないのがグラフィックに負けずとも劣らぬBGMです。
戦闘シーン、村でのひと時、感動の再会など様々なシーンを和風テイストで奏でられる音楽で盛り上げてくれます。
和太鼓や三味線、尺八、琴などありとあらゆる日本楽器を駆使しての名曲は、絶賛せざるを得ないサウンドとなってます。
サウンドトラックもCD5枚組から成る豪華版であり必聴の価値有りです。
数あるゲームサントラの中でもトップクラスの力の入れようなので、大神をクリアした後に聴いて冒険の思い出に浸るのも良いのではないでしょうか。
オリジナルティー溢れるゲームシステム
ゲームシステムもよく考えられていて唸らされます。
至る所に工夫がこなされているのですが、その中でも特筆すべきは「筆しらべ」というシステムです。
アマテラスは元々13の筆しらべという技を使えたのですが、ヤマタノオロチに一度肉体を滅ぼされた際にその力は分神と共に現世に散らばりました。
冒険をする中で現世に散っている分神と出会うことにより、力を取り戻し、一つずつ筆しらべの技を習得していきます。
筆を使い特定の模様を描くことにより、アマテラスの様々な力を使うことが出来るシステムであり、枯れ木に花を咲かせたり、敵にダメージを与えたり、昼夜を逆転させたりとその力は強力であり多種多様でもあります。
このシステムは非常によくできたシステムで、謎解きにも使うし戦闘でも役立つしでゲームを進める上で常に利用する事になります。
しばらく行き詰まって悩んでいたけど筆しらべの技を使えば一発だった!なんて事がしょっちゅうありました。
個性豊かな登場人物
主人公であるアマテラスとイッスンを始め、敵味方共にたくさんのキャラクターが登場します。
どれも個性豊かなキャラで話しているとニヤリとさせられます。
物語の序盤から登場するも最後まで謎のベールに包まれているウシワカ。
いつもキザな登場の仕方をし、訳の分からないアドバイスを残し消えて行きます。
伝説の英雄イザナギの子孫である大剣士スサノオ。
見栄っ張りの怠け者ですが、クシナダに対する想いだけは本物で愛の力で大剣士として成長していきます。
木精サクヤは高い力を持ち、アマテラスを復活させた精霊です。
本来はヤマタノオロチの邪気をも遮断する力があるが、現在は各地で勢いを増す妖怪のせいでその力を失っています。
長い旅の中で出会うナカツクニに住まう人々は、優しかったりちょっと抜けてたり、愛嬌のあるキャラばかりできっとプレイヤーの心に深く残る事でしょう。
クリアしての感想
このゲームはかなりのボリュームがあります。
筆者のクリアタイムは48時間でした。
かなり遊び尽くした感はありますので、ストーリーを追うだけならもう少し早く終わるかもしれません。それでも30時間以上はかかると思います。
57日間も掛かってますが、これは途中で他のゲームに浮気をしたりリアルが忙しくて中断したりしてたので実質は20日間くらいでしょうか。それでも随分と長い事遊びました。
ストーリーが秀逸な事とテンポ良いゲーム進行によりダレずに最後までプレイできました。
もうひとつ難易度について。
このゲームには難易度設定がありません。そもそもかなり難易度が低く設定されているのです。
戦闘は筆しらべを使いこなせれば、あとは適当にボタン連打をしているだけでまず負けることはないでしょう。
ただしボス戦はボスの弱点を見極め、弱点に対して効果のある攻撃を仕掛けなければならないので多少難しいですが、それでも頭を使えば簡単に倒せます。
流石に最後の敵ヤマタノオロチは苦戦しましたが、時間はかかったものの初戦で撃破できました。
流石にこれでは簡単過ぎると感じましたのでもう少し手応えがある難易度にしても良かったのでは無いかと個人的には思いました。
難易度の件だけを除けばストーリー、BGM、登場人物、謎解きやシステムの面白さまで全て高い水準で纏まっているIGN GotYの名に恥じぬ素晴らしい名作だと思います。
まるで日本昔話を見ているような懐かしくも新しい大冒険譚。
機会があればプレイして見て欲しいタイトルのひとつです。
今回は『大神 絶景版』の紹介でした。
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