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【Gamebook】昭和末期に数々の名作を産み出し、一大ブームを巻き起こしたゲームブックの魅力を語る【ファイティング・ファンタジー】

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ゲームブック (Gamebook)と は、読者の選択によってストーリーの展開と結末が変わるように作られ、ゲームとして遊ばれることを目的としている本です。

本文は数十から数百個のパラグラフ(段落)に分けられており、各パラグラフには順に番号が付いています。

読者はパラグラフを順番に読むのではなく、自らの選択やサイコロの目により指定されたパラグラフに飛び物語を紡いでいくシステムになっています。

のちのコンピュータゲームに与えた影響は多大で、コンピュータRPGの基礎になったと言われています。

今回は元祖ゲームブックと言われる社会思想社から発刊されたファイティング・ファンタジー第一弾『火吹山の魔法使い』第二弾『バルサスの要塞』第三弾『運命の森』。そしてゲームブックの金字塔と謳われる東京創元社の『ソーサリー』四部作を中心にゲームブックの魅力を紹介します。

 

 

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ゲームブックの歴史

ゲームブックの原型については諸説あるが、本格的なゲームブックの歴史は1982年にイギリスのペンギン・ブックスより発売されたスティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンの共著『火吹山の魔法使い』が一般的には元祖と言われています。

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1980年、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に代表されるテーブルトークRPGのイギリスにおける流行の担い手だった2人が、その内ファンタジーの世界そのものを本の中に収め、1冊の本の中でTRPGを楽しめるものを創り始めたのが始まりです。

ひとりひとりの読者が冒険の主人公になること、パラグラフ選択という手法、サイコロによる戦闘など、ゲームブックの典型的要素が産み出されました。

そうして登場したのが『火吹山の魔法使い』でした。 

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日本では昭和59年に社会思想社の現代教養文庫より日本語訳版が発刊され、これが直ちにベストセラーとなり一大ゲームブックブームを巻き起こします。

その後コンピュータRPGの台頭により平成以降急速に衰退していき、約5年間に渡り続いたブームは終焉となりました。

 

ゲームブックの大ブーム到来

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5年間くらいの間でしたが、この昭和末期のゲームブックブームは相当なもので、大人から子供まで様々な年齢層で大流行していました。

筆者も当時はまだ幼少であったのにも関わらずどっぷりとハマっており、両親にお願いしてゲームブックを買ってもらい夢中になって読み漁っていました。

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日本におけるゲームブック文庫の代表格ファイティング・ファンタジーシリーズは1984年に第一弾として発刊された『火吹山の魔法使い』を皮切りに1991年の『天空要塞アーロック』まで実に33作品が発売されました。

もちろん他にも様々な出版社からたくさんのゲームブックが発売され、本屋の一画には必ずゲームブックコーナーが用意されており、何十冊ものゲームブックが陳列されていたものです。

 

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筆者が遊んだゲームブックの紹介

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筆者が遊んだことのあるゲームブックをいくつか紹介します。

残念ながら当時の実際に所有していた本は紛失していたため、画像はその後古本屋やネット販売などで探して買い戻した物になります。

初版は1990年以降で全て絶版となっていた為探すのに苦労しました。

『火吹き山の魔法使い』と『バルサスの要塞』は残念ながら初版は見つけられず2003年~2005年に復刊された物を購入しました。

 

ファイティング・ファンタジー

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日本では社会思想社により発刊されたゲームブックの元祖と言えるシリーズです。

1991年に最終巻が販売されるまで7年間にわたり、日本のゲームブックを牽引するシリーズでした。

 

火吹山の魔法使い

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1984年に日本語訳発売。記念すべきファイティング・ファンタジーシリーズの第1巻です。

浅羽莢子による翻訳で出版されました。

発売後、瞬く間にベストセラーとなり、その後のゲームブックブームの火付け役となった作品です。

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ストーリー構成は、途中で分岐しつつもチェックポイントのような合流地点があることで、全体を通して眺めると簡単な流れになっています。

だが、序盤から進むにつれて道筋が複雑さを増し、読者の恐怖感は次第にかき立てられ、実際の簡単な構造以上に奥深さを感じられます。

 

 

バルサスの要塞

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1985年に日本語訳発売。浅羽莢子による翻訳で出版されました。

前作がそれぞれの場面を主人公が客観的に眺めるものが多かったのに対し、今作では主人公に積極的に接触してくるキャラクターが次々と登場します。

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また、分岐によるストーリー展開の幅も前作より増えており、繰り返しプレイを楽しめるように進化していました。

 

 

運命の森

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1985年に日本語訳発売。松坂健による翻訳で出版されました。

『火吹山の魔法使い』では地下迷宮、『バルサスの要塞』では城砦と閉鎖空間を舞台としてきた冒険は、本作品で初めて森というオープンフィールドに踏み出します。

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ゲーム冒頭のお店でたくさんのマジックアイテムの中から何個か選んで購入して広大な森の探索に向かうのだが、この時どのアイテムを選択したかがのちの冒険に大きくかかわってくるのが特徴でした。

 

 

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ソーサリー

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『ソーサリー』はファイティング・ファンタジーシリーズの一部であるが、『火吹山の魔法使い』をはじめとする一連のシリーズからは独立して出版されています。

ファイティング・ファンタジーの簡潔なシステムを損なうことなく48種もの魔法の呪文を操ることができるという点でも画期的な作品です。

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ゲームブックの金字塔とも言える本作品は4部作から成り立っており、それぞれが一冊の本として発刊され、全4巻に渡る超大作となっている。

日本においては、東京創元社のゲームブック参入第一弾です。

2003年~2004年にかけて創土社から新訳が出版されている。

 

あらすじ

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それを所持する者に強力な統治力を与えるという秘宝「王たちの冠(諸王の冠)」が大魔王によってアナランド王国から盗まれた。

長らく無法地帯であったカクハバードが大魔王によって統一されれば、すぐさま周辺諸国へ侵攻してくるだろう。

プレイヤーの分身である「あなた」は、危険なカクハバードを抜け単身で魔城へ乗り込み、冠を取り戻す使命を受け旅立った。 

 

1巻:魔法使いの丘(新訳タイトル:シャムタンティの丘を越えて)

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故郷のアナランドを出発し、シャムタンティの丘を越えてカーレに辿り着くまでの物語。

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物語の導入部分であり、集落も多く回復もしやすい為、ゲームとしての難易度は比較的低め。

とは言え、選択を誤ればいとも簡単に死に至る罠がそこかしこに用意されている。次巻以降に繋がるような伏線が多数用意されている。

 

 

2巻:城砦都市カーレ(新訳タイトル:魔の罠の都)

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ジャバジ河を渡ってバグランドへ向かう為、罠の都と呼ばれる無法の港町カーレを行く物語。

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様々な罠が手ぐすね引いて待ち受けており、街を抜けるのは一筋縄ではいかないが、抜けたところで最後に待つ北門を開けるには四行からなる呪文を知っていなければならない。

その為、四行詩を求めてカーレの中を巡っていくことになる。

 

 

3巻:七匹の大蛇(新訳タイトル:七匹の大蛇)

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ザメン高地を目指し、無法の荒野バグランドを旅する物語。

旅の目的が、大魔王の部下である翼を持つ七匹の大蛇たちに知られてしまったため、バクランドの荒野を抜けつつ大蛇たちを仕留めなければならない。

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大蛇を倒さなくともクリアは可能だが、一匹でも仕留め損ねれば、大蛇は大魔王にアナランドからの刺客の存在を伝え、最終巻での難易度がかなり上がる。

 

 

4巻:王たちの冠(新訳タイトル:諸王の冠)

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ザメン高地を登攀して最終目的地である魔城に潜入し、様々な敵の待ち受ける砦を攻略する物語。

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何処かに潜む大魔王から《冠》を奪還するには、手下であるたくさんの魔物を倒さなければならないだけでなく、数々の致死の罠を潜り抜けなければならない。

三巻以前で手に入れた情報・アイテムが重要なケースもあり、難易度と壮大さを際立たせている。

 

 

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その他のゲームブック

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社会思想社の『火吹山の魔法使い』、東京創元社の『ソーサリー』が火付け役となりゲームブック熱が過熱する中、1980年代には二見書房、富士見書房、ホビージャパンなどの出版社がそれぞれシリーズを刊行するという一大ブームとなっていました。

当時、任天堂のファミコンが爆発的に普及している時期とも被っており、ファミコンソフトを題材にしたゲームブックも多数発売されました。

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『ドルアーガの塔』を原作とする三部作などはゲームブックとしての質も非常に高く、たくさんのゲームブックファンに親しまれた。

その他にも英米原作のゲームブックが多々翻訳され、日本の漫画やアニメのゲームブック作品も多数出版されました。

 

アドベンチャーシート

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ゲームブックは自分の選択によりストーリーが変わります。

罠に掛かってダメージを負ったり、モンスターとの戦闘で体力値は刻々と変わります。

商人から買い物をしたり、賭けに勝ち負けしたり、財布を拾ったりする事により金貨の枚数や、持っているアイテムも増減します。

それらを記録、管理するためにゲームブックには必ず『アドベンチャーシート』と呼ばれる冒険記入用紙が添付されてました。

裏面はマップが印刷されてる事が多かったです。

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使い方としてはこの記録用紙に鉛筆で書き込み、数値が変更するたびに消しゴムで消して書き直していくという物なのですが、すぐに汚れてしまう為勿体なくて使用できず、ノートなどに書き写しながら遊んだものです。

当時はパソコンもない時代なのでプリンターなどこの世に存在していなく、コンビニにコピー機が導入されたのも1996年とこの時代よりも10年以上後です。

ノートに上記アドベンチャーシートを書き写す以外選択肢がありませんでした。

 

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印象に残る素晴らしい挿絵

ゲームブックはそのストーリーとゲームシステムの面白さで価値が決まると言われてます。

しかし筆者にとってもう一つの大きな要因がありました。

それはところどころに描かれている挿絵、イラストです。

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たくさんのゲームブックが出版され、その数だけ様々なイラストレーターによる挿絵が描かれてました。

その中でも非常に独特なタッチであり奇妙なのに美しく、鮮烈なイメージを受けたイラストレーターがラス・ニコルソンとジョン・ブラッシュでした。

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ラスニコルソンは『火吹山の魔法使い』や『バルサスの要塞』などファイティング・ファンタジー作品で多く描いており、ジョン・ブラッシュはソーサリーシリーズで使われております。

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幼い頃、夜にベッドの中で読むゲームブックの冒険はわくわくするだけで無く、時に魔物などに怯え、恐ろしかった思い出もあります。

物語を彩る怪しくも魅力的なこの2名の挿絵は、今でも強く印象に残っています。

 

最後に 

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懐かしい昭和時代に夢中になって読んでいたゲームブック。

コンピュータRPGの到来により、衰退しその役目を果たし終えました。

しかし30年以上経った今、筆者はもう一度このコンテンツの面白さに着目しております。

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自らの想像力を掻き立て、ドキドキしながら読み進めるゲームブックは、コンピューターゲームとはまた違った種類の面白さがあるのではないでしょうか?

懐かしいという気持ちで10年ほど前に再購入した数冊のゲームブックですが、今度30年ぶりに遊んでみようかと思います。

幸いストーリーや攻略はまったく憶えていないので新鮮な気持ちで遊べることでしょう(笑)

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現在ならアドベンチャーシートも大量にプリントアウトできるので困りませんしね。

次の週末はゲームブック用の鉛筆と消しゴム、そしてサイコロを買いに街へ出かけようと思います。

今回は『ゲームブック』の紹介でした。

 

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