オススメ度:★★☆☆☆
2018年2月1日に『スリー・ビルボード』が公開されました。
監督・脚本:マーティン・マクドナー
あらすじ
ミズーリ州エビング― アンジェラ・ヘイズという名前のティーンエイジャーがレイプされた後に焼かれて殺害されるという凄惨な事件が発生した。
それから7ヶ月が経過した後も、母親のミルドレッド・ヘイズは娘を奪われた悲しみから立ち直れずにいた。
女手一つで育ててきた娘の死は何よりも耐え難いものであった。
しかし、時が経つにつれて、ミルドレッドは犯人の手掛かりを何一つ発見できない警察に不信感を抱くようになった。それはやがて警察への怒りへと変化していった。
そこで、ミルドレッドは3枚の広告板(スリー・ビルボード)を借り受け、そこに「娘はレイプされて焼き殺された」「未だに犯人が捕まらない」「どうして、ウィロビー署長?」というメッセージを張り出して町外に設置した。
『スリー・ビルボード』予告編 | Three Billboards Outside Ebbing, Missouri Trailer
アカデミー賞有力候補
第90回アカデミー賞では作品賞、客保印象、作曲賞、編集賞など6部門で計7つのノミネート。
惜しくも作品賞は逃しましたが、主演女優賞と助演男優賞のダブル受賞となりました。
フランシス・マグドーマンドとサム・ロックウェルは当然のこと、脇を固めるキャストも全員渾身の演技で素晴らしい。
アメリカ社会の闇に切り込む人間ドラマ
そう、まさにそんな感じなんですよね。
筆者はこの作品を観る前に持っていたイメージを少し履き違えてまして、娘を殺した犯人を暴き捕まえるサスペンスミステリーだと思ってたんですよね。
その為ラストの展開に「え?これで終わり…?」と中途半端感が拭えず評価が★3つとなってしまいました。
ただそれでも本当に飽きずに最後まで観れたし、登場人物にも深く感情移入出来たので名作なのは間違いないです。
いつも作品をより楽しむためにほとんどの情報はシャットダウンした状態で劇場に行くのですが今回はそれが裏目に出た模様です。
最初から人間ドラマとして観てればより楽しめたと思います。
【輸入盤】Three Billboards Outsides Ebbing Missouri [ スリー ビルボード ]
序盤のイメージが見事に覆る
最初はビル署長は悪い人だと思ってたら、めっちゃ良い人だし、これは偽善で実は…と疑うもまさかの展開に驚愕。
ディクソン巡査はクソ野郎なのに、母親や署長の愛により人間的にとても成長して終盤は本当に頼りになる存在に。
主人公は最初は娘を殺された母親として同情してたけど、だんだんコイツちょっとイカれてないか?と感じてくるし。
視聴者の誰が悪人で誰が良い人なのかという判断を見事に揺さぶってくる。
そんな中で本当の真実を考えていくのはとても楽しかった。
少し辛口レビューになりましたが、作品としては高い水準で纏まっておりオススメできます。